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2025年、約5ヵ月に渡るPCTスルーハイクを成し遂げたアライカイトさんa.k.a MJ / SAIKO

北陸の福井で生まれ育ち、自ら生粋の福井っ子だと語る彼が、なぜPCT歩くことになったのか、なぜOHMI Equipmentを選んだのか。


MJのアメリカへの思いとギアについて聞いてみた。

 


福井のアウトドアショップ THE GATE MOUNTAINのスタッフ アライカイトさん

日本でのトレイルネームはMJ(マウンテンジャンキー)

@THE GATE MOUNTAIN

@just.a.kaito

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「山に行かないと落ち着かない」——福井発・マウンテンジャンキーMJの正体

 

ーーMJさんはどんなきっかけでPCTを歩こうと思ったのですか?

MJ:まず一番最初にあるのは、「旅」への憧れですね。

いわゆるバックパッカー的な旅のスタイルに、昔からすごく惹かれていて。

実は4〜5年くらい前に、一度アメリカを旅しようと本気で準備していたことがあるんです。

車で回る予定で、仕事も辞めて、かなり本気でした。

 

でも、コロナで全部なくなってしまった。

そのときの挫折というか、「行きたかった」という気持ちが、ずっと心の中に残っていました。

それでもやっぱり、

「アメリカに行きたい」

「広大な自然を見てみたい」

という憧れは消えなかったですね。

日本では考えられないスケールの山脈や景色が、きっと広がっているんだろうなって。


 

ーーそこから、なぜ“歩く旅”になったんでしょう?

MJ:当時は車での旅を考えていたんですけど、

ハイキングという遊びにどんどんのめり込んでいく中で、考え方が変わっていきました。

仕事を通じて、MJの名付け親である元山と道のJKさんや、pegのマサルさんとか、ロングトレイルを歩いた人達と出会う機会が増えて、かなり影響を受けました。

それで「歩いて旅をする」というスタイルが、すごくいいなと思うようになって。

 

ロングトレイルという存在自体を知ったのも、実は3年くらい前なんです。

「もしアメリカに行くなら、ロングトレイルだな」

そう思ったのが、大きな転換点でした。


ーー数あるロングトレイルの中で、なぜ最初の一本がPCTだったんですか?

MJ:正直に言うと、日本だとどこまで行っても「日本だな」と思ってしまう部分があって。

良い悪いではなく、できるだけ自分がまったく知らない環境に身を置きたかったんです。

 

あとは、トレイルカルチャーです。

PCTは歴史が長くて、文化がしっかり醸成されていると聞いていました。

トレイルネームの文化もそうですし、

ハイカー同士の距離感や、コミュニティの雰囲気も含めて、

「一度体感してみたい」と思ったんです。

 

 

ーーなるほど。そういえば、PCTを歩いたとき、別のトレイルネームももらったんですよね?

MJ:そうなんです。現地では「Saiko」っていう名前をもらいました。

ーーSaiko?

MJ:ダブルミーニングなんです。

ひとつは日本語の「最高」。僕、口癖みたいに「最高!」って言ってたんですよ。

もうひとつは、半分冗談なんですけど「サイコ(psycho)」ですね。

全然狂気じみてはいないんですけど、湖に入ったときに気持ちよくて、日本語で「最高だ〜!」って言ってたら、周りのアメリカ人ハイカーが「お前、何言ってるんだ?」みたいな空気になって。

説明したら「なるほど、じゃあSaikoでいいじゃん」って。


ーーマウンテンジャンキーらしいエピソードですね(笑)ちなみに初海外だったと伺いましたが、不安はなかったですか?

MJ:不安がゼロだったかというと、もちろん多少はありました。

でも、不安よりもワクワクのほうが圧倒的に勝ってましたね。

未知の体験が、毎日待っている。そのことのほうが楽しみで。

良くない言い方かもしれないですけど、

どこかで割り切っていた部分もあったと思います。

日本じゃないから、危ないこともあるだろうなとは思ってましたけど、

「よっぽどのことがなければ、取って食われることはないだろう」みたいな(笑)。

トレイル上で誰かに襲われるって、相当大変じゃないですか。

まずそこまで歩いてこなきゃいけない(笑)。

街に降りることもありますけど、

基本的には田舎町というか、日本でいうカントリーサイドみたいな場所が多かったので、

「まあ大丈夫かな」と思っていました。


ーー言葉の問題も平気でした?

MJ:はい。

完璧じゃなくても、なんとかなるだろう、という感覚はありました。

もうとにかく「行けばどうにかなる」という気持ちでした。

 

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130日間のPCT。遅めスタートとフリップフロップという選択

 

ーーここからはいよいよ、トレイルの話を聞かせてください。

まず、今回トータルで歩いた日数はどれくらいでしたか?

MJ:スタートが5月26日で、ゴールが11月8日ですね。トータルでいうと、だいたい130日くらいです。

ーースタート時期としては、標準より遅めですよね?

MJ:かなり遅いスタートでした。

PCTは事前にパーミットを申請して、出発日が決まるんですけど、早い日程からどんどん埋まっていくんです。

僕の場合、割り振られた申請時間の運が悪くて、遅い日程しか空いていなかったんですね。

 

ーー途中でPCTデイズにも参加されていましたよね。

あれは最初から予定していたんですか?

MJ:いえ、かなりイレギュラーでした。

決めたのは、歩き始めてからです。

当時、僕はまだカリフォルニアの南〜中部あたりにいたんですけど、

PCTデイズの会場はオレゴンとワシントンの州境付近とかなり北なんです。

このまま北上すると、ワシントン北部は10月中旬くらいから雪が降り始める。

「このままだと、最後が歩けなくなるな」と思ったんです。

そこで一度、南部のセクションを飛ばして、先に北を歩き、

あとで戻ってくるという方法を取りました。

ーーいわゆる「フリップフロップ」ですね。

MJ:そうです。

スキップしたわけではなく、結果的には全線歩いています。

 

ーーインスタだけ見てると、急にワープしたように見えました(笑)。

MJ:分かりづらかったと思います(笑)。

 

 

PCTデイズという「ハイカーの祭典」

 

MJ:PCTデイズは、日本のハイカーもたくさん集まるイベントなので、

せっかくだし行ってみたいな、という気持ちもありました。

山と道さんや、PAAGO WORKSさんなど、日本のブランドも出展していて、

交流できるのも楽しそうだなと。


ーー実は今、僕らも来年のPCTデイズ出展を検討していて、申請中なんです。

MJ

え、本当ですか。すごいですね!


ーーなかなか新興メーカーは簡単に通らなくて、「社歴は?」「本当に北米で売る気はあるの?」とか、結構シビアに聞かれてます。

実際海外からのオーダーも増えているので、どうなるか分かりませんが、うまくいけば面白いなと。


前編はここまで。

後編ではPCTで使ったOHMI Equipmentについて聞いていく。